<集団行為>(コレクチーヴヌィエ・ジェイストヴィヤ)
――アクションの記述・写真・映像・音源

第一巻(序文

行為の場. <集団行為> アクションの写真

12. 行為の場

1.撮影

招待を受けてやってきた観客たち(30名)は野原の端へと誘導され、野原を横切って反対側の森の壁の方へと順に直進していく過程で(道程350メートル)、スライドフィルム用の写真に撮影されるよう指示された。地面におかれた厚紙の小さな円によって、ルートを示す線が事前に引いてあって、それぞれの円には撮影ポジションの番号が書かれていた(全部で15箇所。撮影の起点からもっとも近い1番からもっとも遠い15番まで)。これらのポジションによって、ルートの線はそれぞれ約23メートルの均等な線分に分けられていた。それぞれのポジションに近づいた観客たちは、起点(彼らを撮影したカメラ)を振り返り、5秒間立ち止まってから、先へ進まなければならなかった(詳細なプランについては、資料No.2を参照)。次の観客の撮影は、前の観客が野原の反対側の森の中に隠れてしまったときに始められた。このようにして15人の観客たちの撮影が行われた後、追加の撮影が行われた(一部は同日、一部は1979年10月13日)。
1979年10月7日

2.幕

撮影開始前に、ポジション13と14の間に(すなわち撮影の起点から300メートルの距離に)、われわれの手で紫色の布の幕(3m×2m)が張られた。最初の状態では(すなわち一人目の観客が接近する時には)、その幕は左側に寄せて(開けて)あった。観客は、幕のところまで来たらそれを広げて、その広げた幕が撮影の起点にいる一群の人々から観客を隠すように、すなわち観客が幕の向こう側にいる状態にするようにと、事前に指示されていた。幕の裏側には、穴の中に横たわっている前の観客と入れ替わるようにという文がとめ付けられていた(撮影ポジション14のところにわれわれの手で事前に穴が掘られていて、最初の観客が穴に来るまで、その中にはカメラを持ったアクションの参加者の一人が横たわっていた)。こうして、起点にいる一群の観客から幕で隠された観客は、穴に横たわっている者と入れ替わり、彼と入れ替わった者は幕の方へ戻って、再び幕を左に寄せた(この行為についても幕につけられた文で告知されていた)。その後、さっきまで穴に横たわっていた観客が、穴の中で自分と入れ替わった観客を写真に撮り、カメラを相手に託して、残りの二つのポジション(14と15)では自分が撮影を受けた。

このようにして撮影ラインの全ポジションで写真におさまり、アクション<幕>を遂行した観客たちは、つぎつぎに森へと移動していった。森には、観客撮影の見取り図、参加者の追加撮影の見取り図、スライドフィルムの順序、今回行われた撮影の素材から構成することになっていた白黒の展示の内容を図式的に示したボード(130cm×90cm)が、一本の木に取り付けられていた(ボードのテクストは資料No. 2を参照)。ボードの脇にはテープレコーダーを持った一人の参加者がいて、アクションに参加した観客たちの発言を録音していた。

モスクワ州、サヴョーロフスカヤ鉄道、<キエヴィ・ゴルキ>村近くの野原

1979年10月7日

3.スライドフィルム

撮影された素材から、スライドフィルム(資料No. 3を参照)と白黒の展示(資料No, 2、項目7を参照)が構成された。スライドフィルム上映後、フィルムへのコメントをテープレコーダー録音で聞いた(資料No. 4を参照)。その後、10月7日にボード付近で行われたテープレコーダー録音を流しながら、補足記録資料がスライドで示された。

 

モスクワ

1979年10月31日

A. モナストゥイルスキー、I. マカレーヴィチ、N. アレクセーエフ、N. パニトコフ、E. エラーギナ

I. カバコフ、I. バクシテイン、V. ミロネンコ、D. プリゴフ、O. ワシリエフ、E. ブラートフ、V. ネクラーソフ、V. モチャロワ、I. ピヴォヴァロワ、I. ヤヴォルスキイ、I. チュイコフ、S. グンドラフ、A. アニケーエフ、L. ルビンシテイン、S. ロマシコ、M. エラーギナ、L. バジャノフ、A. フィリッポフ、K. ズヴェズドチョートフ、V. マカレーヴィチ、P. ペッぺルシテイン、N. シバノワ+7-10

翻訳 生熊源一・上田洋子

Translated by Genichi Ikuma/Yoko Ueda

A.モナストゥイルスキー 『郊外の旅』 第一巻 序文

準備
準備
準備
ポジション上のイリヤ・カバコフ
エーリク・ブラートフ
フセヴォロド・ネクラーソフとアンドレイ・モナストゥイルスキー
ボードの打ちつけ
アンドレイ・モナストゥイルスキー
聴衆
盾での観客
野で
スライドフィルム
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