AMとNPの2つのテープレコーダーに、テープを同時に聴いた場合にやりとりの順序が保たれるような形で対話が録音された。片方のテープレコーダーが鳴っている時、もう片方は「黙って」いて、逆もまた然りという具合である。のちの雪原でのアクションの際には、これら2つのテープレコーダーは対話を再生している状態でそりに乗せられて、観客グループの前で向かい合わせに野を横切るように引っぱられた。そりの上のテープレコーダーにつなげたロープ(野原の幅は400m)を引くオーガナイザーたちは、観客から右手と左手の森の中にいた。片方のそりは青色で、左から右へと野を横切った(観客から見て)。それより少し観客の近くを赤いそりが(右から左へ)青いそりと平行に走った。観客から近い方のそりが通るラインまでの距離はだいたい10mだった(遠い方までの距離は15-17m)。その後、アクションで使われた2つのテープの断片が事実記録として観客たちに配られた。それ以外にも、観客の前の野原のそりが通るラインを超えてさらに遠くへ行ったところに、観客には見えない陶器の漁師の像が立っていて、その像は観客とオーガナイザーたちが野を去った後も行為の場に残された。
モスクワ州、ヘラジカ島【ロシーヌィ・オーストロフ】(モスクワ環状道路の外)、アブラムツェヴォ村周辺
2000年3月20日
A.モナストゥイルスキー、N.パニトコフ、S.ロマシコ、E.エラーギナ、M.コンスタンチノワ、I.マカレーヴィチ
Yu.レイデルマン、E.ルキヤノワ、O.アリムピエワ、V.アリムピエフ、V.ミロネンコ、某氏(2人)、M.チュイコワ、S.ザグニイ、Yu.セミョーノフ、P.ペッペルシテイン、I.バクシテイン、M.ルィクリン、A.アリチューク、V.ソローキン、E.ボブリンスカヤ、Yu.オフチンニコワ
露文和訳 生熊源一・上田洋子
Translated by Genichi Ikuma/Yoko Ueda