アクションはN.アレクセーエフの家で実施された。招待された観客たちは、明るいグレーのなにもない壁に向かって座り、壁のそばには右左ふたつの小ぶりなカセットレコーダーがスピーカーの上に置かれていた。テープが再生されると、10分のあいだ壁を叩いたりノックしたりする音が流れた。それぞれのカセットレコーダーの上部の壁を注意深く眺めると、録音の際に金槌で叩いたときに残ったふたつの痕(凹み)を見つけることができた(録音はアクションの前日に行われた)。このふたつの音源が終了すると、3つ目の、ステレオテープレコーダーが再生された(それは後ろの壁のそばに置かれていて、観客が気づかないように布をかけてあった)。ステレオテープレコーダーはカセットレコーダーが置いてあるスピーカーに接続されていた。この音源は、観客の到着と席への案内––ドアをノックする音、ざわめき、会話(カセットレコーダーの再生が始まるまでの15分間に録音されたもの)の記録と、ふたつのカセットレコーダーの音源が鳴っている観客が聞いているときの記録だった(アクションの詳細プランを参照)。
モスクワ
1981年3月1日
A. モナストゥイルスキー、S. ロマシコ、N. パニトコフ、N. アレクセーエフ、G. キゼヴァリテル、I. マカレーヴィチ、E. エラーギナ
V. スケルシス、S. ミロネンコ、V. ミロネンコ、Yu. アリベルト、V. ザハーロフ、N. ザネギナ、D. プリゴフ、V. カラ=ムルザ、N. コズロフ、I. ユルノ、I. ピヴォヴァロワ、P. ペッペルシテイン
露文和訳 上田洋子
Translated by Yoko Ueda